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少年老い易く、学成り難し。一寸の光陰軽んずべからず。況や、分陰をや。ゆえに、寸陰を惜しむのみならず、分陰を惜しむべし。(十八史略)
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男女共同参画法廃案に向けての指標
Ⅰ:はじめに


 小稿では、男女共同参画法廃絶にむけた指標を示すこととする。最近のフェミニズムの暴走には、目に余るものがあるため、今回の起稿となった。
 民主党の千葉議員が、弁護士資格保持者でありながら、首相の「子供は国の宝」発言に対し、「軍靴の音」を感じたかのような発言をしたこと、社民党の福島議員が弁護士でありながら、「子供を埋めたい」という不適切発言を行ったこと、に並々ならぬ危惧を覚えたためである。


Ⅱ:男女共同参画法廃絶の指標


1、指標


 この天下の大悪法を廃絶する手がかりは、千葉県市川市の条例改廃である。市川市は、宮崎県都城市のように、非常に過激なジェンダーフリー条例案を改廃したことで、フェミニストにとっては悪夢のようなできことであった。しかし、その直後、国分寺市で同様の過激なジェンダーフリー=フェミニズム条例が通過したことは、保守派にとって痛恨の極みであった。


2、市川市の事例


 改正前は、まさに「日本滅亡のための条例」というべきものだった。改正後にも、やや不満が残るが、フェミニストの嫌がる単語がそこかしこにちりばめられ、条例内容は激変した。今後の男女共同参画法廃絶に向けた動きにおける、一指標といえるものだろう。


 1)改正前の問題点:


 以下に、改正前の問題点を箇条書きした。内容としては、日本の古来からの美徳を破壊するための、ジェンダーフリー条項といって過言でない。家族をばらばらにする発想は、福島議員が日頃提唱する「家族解散式」を思い起こさせる。
 福島議員は、DV法という、強制離婚を伴う悪法を強引に可決させた張本人である。彼女の頭には、「結婚=人生の敗北者」という図式しか存在し得ないようにも、感じられる。

①前文「男女が性別に関わりなく」「男女平等社会の実現の障害となる性別役割分業意識がいまだに根強く残っており」


②第1条「男女の実質的な平等を実現するため、それを阻んでいる要因を取り除き」「自立した個人として」


③「積極的格差是正措置(ポジティブ・アクション)」、「市の附属機関の委員の構成において、男女いずれかの委員の数の割合が4割未満にならないように務めなければならない」 


④「『男は仕事・女は家庭』という固定的性別役割分業意識に縛られることなく、家事、子育て、介護等の家庭の営みに家族全員が関わり、その責任を共に分かち合える家庭」


⑤「男女別実施による運動種目の設定、男女別室での着替えなど、思春期の性別に配慮した教育」「心と体のバランスや生命の尊厳に配慮し、発達段階に応じて適切に行われる性教育」


⑥「セクシャル・ハラスメントのない教育」


⑦「性別により直接的又は間接的に差別されることなく、その人権が尊重される社会」



 2)改正点:


 改正点の大きな特徴としては、改正前にあった家族破壊思想が消滅し、家族重視の条項に変わったことである。家族破壊から家族重視に変えるだけで、共同参画条例が骨抜きになることが、今回の条例改廃で明らかになった。
 以下、改正点である。

 ①前文・第1条・「積極的格差是正措置(ポジティブ・アクション)」・「市の附属機関の委員の構成において、男女いずれかの委員の数の割合が4割未満にならないように務めなければならない」・「ジェンダーを解消する」「性と生殖に関する健康と権利」を削除

②第2条を「男女共同参画社会とは、男女がその特性を生かし、必要に応じて適切に役割分担しつつ」という表現に変える


③「男らしさ、女らしさを否定することなく、互いにその特性を認め合い尊厳を重んじる社会」に変える


④「専業主婦を否定することなく、現実に家庭を支えている主婦を、家族が互いに協力し、支援する家庭」に変える


⑤「子を産むという女性のみに認められた母性を尊重するとともに、育児における父性と母性の役割を大切にし」に変える


⑥「必要に応じて適切に名簿の作成が行われる等、区別と差別を混同することのない教育」に変える



 3)改廃反対派の問題点


 改廃反対派の急先鋒、石崎議員は、当議場で、セックス絵本を「孫にも読ませたい」と堂々と言ってのけ、壇上からその性教育本を振りかざし、傍聴席全体から失笑を買ったという情報を入手した。あと、市川市役場や議会にFAX攻撃するよう触れ回り、実行に移したとの情報もある。
議場では、猥褻物頒布罪または、猥褻物陳列罪。公務以外では、威力業務妨害罪、または公務執行妨害罪を犯したわけである。
 そのほかの問題点を箇条書きにしてみた。

①新条例の上程にいたる経過・事前の話し合いなどについての不満たらたら、つまり内容への反論ではなく単なる手続き論の展開

②固定的役割分担絶対悪論、社会慣行の中性化など教条的内容を万古不易の価値であるかのごとく言いつのり、新条例にそれらが削除されていることへの不満表明

③性の差をも差別との立場に立ちながら、性を売り物にした井戸端会議論


④保守派議員の発言時は野次を飛ばし、改廃反対派の出番になれば拍手をするという、幼稚な態度をとる



 4)条例における違憲性・違法性

 「性と生殖に関する健康と権利」なるものは、一方的な女性の権利の主張でしかなく、現行憲法24条における「両性尊重の精神」に反するばかりか、胎児の生命軽視につながり、刑法の堕胎罪に抵触、母体保護法にも違反する、まさに憲法違反・法令違反の代物である。
 さらには、「性と生殖に関する健康と権利」のうち「権利」は国際的にも認められていない。事実、憲法98条2項では、「条約や国際的取り決めは遵守する」、となっているため、改廃前の条例は、行政法に基づけば、無効であり、成立し得ない。少なくとも法規違反の条例案は、改廃しなくとも本来成立自体しなかったが、当時の議会が全会一致で承認してしまったので、新たな法律行為として有効になってしまった。
 


 5)人権学説からみる、改廃前条例の問題点

 人権に関する学説について、①直接適用説:憲法の持つ法原則は、社会のあらゆる領域において全面的に尊重されるべき。②間接適用説:直接適用しないが、憲法の趣旨を裁判所が解釈適用し、私人間の人権対立を調整する、③不適用説、以上3学説がある。
 判例は、間接適用説を採っており、例外的に投票の秘密保障、奴隷的拘束・苦役からの自由、家庭生活における個人の尊厳と両性平等、児童酷使禁止、労働基本権が、私人間に適用されるとしている。ただ、これら学説は、結局のところ、共通して、民法に定める私的自治の原則、契約自由の原則に反する。理由は、憲法は、元々国家と国民との関係を規律するものである。
 そして、間接適用説における欠点は、①人権侵害の領域をどこにするかで、人権規定が無制限になったり、人権保障がなされなくなる、②人権規定と形式上矛盾する法律関係を規定する自由も、憲法上保障されることになる、以上二点があげられる。つまり、法の支配の原則に反することとなる。
 また、間接適用説の構造上の問題点は、憲法の趣旨に、民法の規定を類推適用するという意見もあるため、私権の拡張を、女について無制限に認めてしまっていることがあげられる。




Ⅲ:おわりに

 男女共同参画法は、法的安定性を悪用し、具体的妥当性を完全に否定しつくしたという点で、日本を人治国家に転落させる、黒い目的があると断言できる。
 そもそも、法的安定性とは、①社会秩序維持②行動基準③拘束力ある制約、を指し、かつ、その一方で、正義の実現や最適利害調整を目指す法解釈を行うための具体的妥当性がなければ、法律として制定できない。
 よって、市川市における条例改廃は、市政上の正義の実現や最適利害調整を目指すためであった。背景には、フェミニスト議員の横暴に対する、市民・市民の代表である保守派議員の不満があった。また、上野千鶴子の不遜発言で、保守派議員が発奮したことも考えられる。
 今後、男女共同参画法廃絶には、市川市のように、保守派や市民が連帯を形成し、法律的に猛勉強を行い、結束を維持し続けることが、必要最低条件である。今後の改廃運動に期待する。

 



 


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男女共同参画法・DV法における違憲性
                      文責:管理人



Ⅰ.はじめに

 小稿では、男女共同参画法とDV法における違憲性について取り上げる。共通して、なぜ違憲であるのか、それなりに触れていく。


Ⅱ.違憲性


1.違憲の概要

男女共同参画法は、憲法88条に定める、「公の支配に属しない慈善・教育・博愛の事業に対しての支出・利用の禁止」に重大かつ明白に抵触している。また、フェミニストのくだらない与太本が、高い予算で買い取られ、所狭しと並べられ、それを管理するのに、年間10兆円もの血税が垂れ流しされている。
 全国各地に、「共同参画センター」「女性センター」なる『箱物』をこしらえ、税金の垂れ流しを図って、建設業界から経済界全体を掌握した。



2.違憲の詳細

 共同参画法を悪性腫瘍化した法律が、DV法をはじめ、ストーカー関連法・痴漢防止法・セクハラ防止法である。日本の国体を根本から破壊し、人口維持すらも不可能にし、不法滞在目的の特亜人を大量流入させる下地を形成してきた。
 しかも、社会の基礎である家族を分断し、家族内でいがみ合い、疑心暗鬼にさせ、裏切りあうという、文化大革命的な様相を呈している。結局のところ、黒板に家族の絵を書き、そこに×を付けさせ、「家族と縁を切れ、家族は革命の敵だ!」と、教え込むポルポトのアンカー教育となんら変わらない。



3.違憲性に対する無為無策


 男女共同参画局は、毎年10兆円もの無駄使いが露見しないよう、全省庁が参画予算を請求する形をつくり、予算再分配の権限を掌握することで、支配力を強化する体制を確立している。
 会計検査院は、これについて、意図的に隠蔽し、憲法90条の決算検査義務を放棄している。
 各都道府県知事、市町村長の一部は、さながら陳情団として、予算を依存している。依存の一方で、フェミニストに地方自治の実権を掌握されいている。千葉県堂本治世が、最たる悪例である。千葉県では、1兆5千億円の予算のうち、1/3を男女共同参画予算に費やしており、累積赤字2兆4千億円の主要因となっている。
 一時、とある議員が、男女共同参画局の無駄使いについて、憲法62条に基づく国政調査権発動を提案したが、全くといってよいほど反応がなかった。この議員は、いわゆる「郵政解散」選挙において落選している。その一方で、猪口女史のようなフェミニストが、表舞台に登場し、男女共同参画社会という、共産主義社会形成に一役買った。



4.違憲性に関する説明


 DV法は、制定時では、41条に定めてある自由委任の原則(①個々の国会議員は全国民の代表②選挙区・特定団体を代表せず、拘束されない)が無視されたが、曲がりなりにも国の唯一の立法機関として制定した。しかも、この法律は、3年ごとに改正されることになっており、遂には人権擁護法案を髣髴とさせる、外国人の権利拡張を主張してきている。
 今度の改正案は、NPO法人全国女性シェルターネットが、憲法41条に定める国会中心立法・国会単独立法までも無視し、表向き札幌でタウンミーティングをやることにして、実質参画局の役人と密室で勝手に検討内容を決めてしまった。
 民法における私的自治の原則・契約自由の原則を踏みにじり、法的安定性を悪用し、具体的妥当性を完全に否定しつくすという点で、日本を人治国家に転落させた。事実、日本の人権順位は、110か国中79位である。
 主な要因として、共同参画法やDV法が、「男が加害者、女が被害者」というイデオロギーに支配されており、DV冤罪における法的救済策が皆無であることが挙げられる。一部欧州の報道では、女性専用車両導入が人権順位を大きく下げた、と取り上げれられている。
 正義の実現や最適利害調整を図る法解釈を放棄してしまっては、社会秩序・行動基準・拘束力ある制約の形成が実現できるはずがない。



5.さらなる思想暴走

 今度創設されることになったDV罪は、刑罰法規が未公開であるため、あいまい、かつ不明確である。野牧雅子女史のサイトでは、ほとんど北朝鮮の刑法と内容が同レベルであると取り上げられていた。正鵠であるといいたい。
 たとえ刑罰規定を設定したとしても、一般人の判断能力があれば、DV冤罪被害者・加害者が放置されたままというのは、憲法18条・31条に違反する、と考えるのが普通ではないか。
 現時点ですら、DVの発見ノルマがあるため、冤罪の大量発生が顕在化しているが、今後さらなる暴走が予想される。
 フェミニスト官僚・政治家・法曹界は、冤罪を放置した挙句、法の支配の原理に含まれる、①国民の権利自由擁護②違憲審査権③憲法の最高法規性④人権規定⑤刑罰を科す際の適性手続保障、を無視しつづけて、刑罰規定制定を画策し続けている。



6.究極の暴走

 日野市や札幌市で廃案になった『子供の権利条約』の条例化:CAPがある。これは、川崎市で導入され、魚津市でも導入される運びとなっている。これは、大人が子供を叱る・注意する・助言することは、「子供の権利を奪う教育だ!」、と糾弾するものである。
 また、性教育で性交渉を促し、それでいて性交渉でうけた心理的ストレスを増大させ、結婚や性交渉に対する拒絶反応を植えつけさせることも目的にしている。この教育方法は、行事化しており、不参加を表明した生徒には、内申書不記載という不利益が待っている。まさに、教育現場の荒廃をさらに悪化させる状況になっているといってよい。
 



Ⅲ.フェミニズムの暴走を食い止めるための提言


 これでは、日本は、法治国家どころか、文明国であることを放棄したと捉えられても文句は言えない。事実、人権順位は、かなり後ろに位置している。日本文明が背負っている歴史・文化を法文化し、今までの慣習を法令化することで、日本にかつての礼節と愛国心、節度と秩序ある社会を再構築させることが急務である。
 よって、ここに一助となる提言を行う。法文化しやすい『勤勉・家族・愛国』を法制度に組み込むことである。これは、フランスの英雄ぺダンが提唱したスローガンを基にした。しかし、勤労では、サポタージュや停滞を生みやすいので、日本人のお家芸である「勤勉」に変えておいた。
 勤勉は、個人的法益と社会的法益、国家的法益を維持し、一個人の家族のみならず、親類・地域・ひいては、村落共同体というべき国家を維持または発展させる。家族は、いわば、国家=村落共同体の縮図であり、個人的法益と社会的法益の通信というべきものだ。そして、愛国は、日本の伝統・歴史に敬意・自信を持ち、個人的法益と社会的法益を内包する国家的法益を守護せしめる根本思想である。
 この3つを法文化すれば、極左が掲げる「自由・平等・博愛」は、「我が儘・反抗・反逆・侵略」という要素を含んでいることに、誰もが気が付く。ところで、ぺダンは、「働かなければ生きていけないし、家族を大事にしなければ人間らしい優しさを持つことは出来ないし、愛国心がなければ集団や組織を成り立たせられない。」と述べていた。彼は、不幸にしてナチスドイツの侵攻を食い止められなかったが、進歩主義に汚染されたフランスで、保守の思想を体現したことは、後世評価されるべき行為である。



Ⅳ最後に


 男女共同参画法やDV法は、ポスト・モダンというよりは、人間社会が長年かねて形成してきた秩序を崩壊させ、フェミニストという無頼の輩を産業界・教育界・政界に跋扈させ、日本社会に多大なる損害を与えている。法曹界は、これを幇助し、男女共同参画利権を肥大化することに貢献している。
 今後は、このような策謀を阻止しなければ、近代の否定だけでなく、文明自体の否定にまで、フェミニストが暴走することは明白である。事実、夫婦別性や、同性愛結婚といった諸問題が噴出しており、これらを承認させようという策謀も、見受けられる。
 このような愚行を阻止し、夫婦の絆、親子の絆を維持させる社会を作り上げることが、今後の文明の進歩に繋がるものと確信する。


 

 
 
 
 


 


テーマ:社会風刺 - ジャンル:学問・文化・芸術

漫画に対する表現規制における諸要因と諸問題
                                                   文責:管理人

Ⅰ.はじめに:


小稿において、表現規制をとりあげるのは、青少年健全育成基本法案や有害社会環境適正化自主規制法案の上程が取りざたされているからである。市民団体を自称し、『カンパ』の名の下に、善良なる市民を不法搾取する似非市民団体、いわゆる「プロ市民」による圧力や、そういった団体から献金を受けたりしている族議員等が、問題発生を奇貨とし、表現規制に対して血道をあげている。一部には、行き過ぎた性描写があり、かつ猥褻物の範疇に入るものがあったため、規制の一部趣旨には、小生賛成である。ただ、規制を要求する諸団体が、北朝鮮とのかかわりが深いプロ市民や、反日NGOであるため、大部分のアクションには反対である。そこで、取り締まり対象とその諸要因と、諸問題を今回取り上げるものとする。


Ⅱ.表現規制における諸要因:


(1)表現規制における背景:

戦後、当初は俗悪な表現が問題視された。その後、破廉恥漫画→エログロナンセンス漫画→ロリコン漫画→児童ポルノ漫画のような、アングラ漫画路線が形成されていった。その結果、諸規制および法制度が制定され、作者の検挙におよぶ事態になった。

(2)表現規制の歴史:

表現規制の歴史的流れを見ていくと、大きく①戦後の「俗悪漫画」批判、「悪書追放運動」、②ハレンチ漫画非難、差別表現の「言葉狩り」、③エロ劇画・ロリコン漫画・美少女系エロマンガ、成年向けコミックの台頭、④「黒人差別」騒動、「有害」コミック規制問題、⑤『児童ポルノ禁止法』問題、⑥「青環法」と「児童ポルノ禁止法『改定』」論議、の6つに分けられる。


1)戦後の「俗悪漫画」批判、「悪書追放運動」

 契機は、昭和24年におこった、赤本(非正規流通)漫画ブームと俗悪批判である。これは、昭和30年において、「日本子どもを守る会」「母の会連合会」「PTA」による「悪書追放運動」がおこり、漫画を校庭に集めて「焚書」にするといった「魔女狩り」が横行した。これは、非現住建造物放火の既遂であった。しかも、「図書選定制度」「青少年保護育成法案」といった、現行憲法21条における、表現の自由に対する、反動的政治的・文化的動揺がおこった。その一方、出版界、編集者も、生活手段維持と、『表現の自由』防衛のため、批判に抵抗した。これが、のちに、自主規制への道筋がつけられていくもととなった。
 昭和34年には、貸本漫画の残酷描写批判。貸本自体の「衛生面」も非難の的になった。その後、昭和37年には、平田弘史「血だるま剣法」「積んではくずし」が部落解放同盟等から抗議を受ける。そのため、出版会は、自衛手段として、昭和38年、出版界の自主規制団体「出版倫理協議会」を結成し、理論武装に入った。その後、翌年、東京都は、 青少年条例を制定した。


2)ハレンチ漫画非難、差別表現の「言葉狩り」

 昭和45年には、発禁問題が浮上した。永井豪「ハレンチ学園」、ジョージ秋山「アシュラ」の人肉食描写、手塚治虫「アポロの歌」のセックスシーン、のうち、後者2作品は、一部発禁や、福岡県での販売禁止が行われる事態となった。また、行き過ぎた人権擁護の風潮が、プロ市民らの手により、横行した。その端緒は、梶原一騎&矢口高雄「おとこ道」で、「在日朝鮮人差別問題」なる存在し得ない虚構で問題視される様相を呈した。昭和51年には、北朝鮮系プロ市民・フェミニズム団体、「国際婦人年をきっかけとして行動を起こす女たちの会」が、永井豪「イヤハヤ南友」や、山上たつひこ「がきデカ」の女性描写を問題視した。その結果、現在に至る「言葉狩り」の道筋を用意だてたことになった。
 加えて、全国41都道府県で、プロ市民団体による街頭活動や、警察署を取り囲む「人間の鎖」の圧力に、司法当局が屈し、昭和55年までに、青少年条例の制定強化が行われることになった。以降、プロ市民団体による、街頭活動による政治圧力は、熾烈を極めることになった。


3)エロ劇画・ロリコン漫画・美少女系エロマンガ、成年向けコミックの台頭

 昭和53年、エロ劇画ブームがおこった。その結果、「漫画エロジェニカ」、「別冊ユートピア/唇の誘惑」が刑法175条「わいせつ図画頒布」で摘発された。また、えびはら武司「まいっちんぐマチ子先生」が、フェミニズム団体により、『女性差別』とされた。それをうけて、昭和59年、自民党、青少年向け「図書規制法案」を準備したが、強い反発をうけて取り下げた。その後昭和63年にかけて、エロ劇画からロリコン漫画への人気移行し、コミックマーケット、同人誌文化の拡大の一途をたどった。また、ロリコン漫画から美少女系エロマンガへ移行し、アングラとメジャーの線引きが曖昧になり、一般青年誌を中心に美少女系作家が進出した。その影響を受けて、エロ劇画の衰退が起こった。この時期を境に、秋葉原のコミケが発展する素地をつくることとなる。


4)「黒人差別」騒動、「有害」コミック規制問題

 平成元年、2年にかけて、朝日新聞による、「反漫画キャンペーン」が行われた。この時期、暴れまわった団体は、「黒人差別をなくす会」「コミック本から子どもを守る会」を主体に、各地の「親の会」「PTA」、「動くゲイとレズビアンの会(アカー)」であった。標的となった漫画は、藤子不二雄「オバケのQ太郎」150編「国際オバケ連合」の描写、松伸二「マーダーライセンス牙」、鳥山明「Dr.スランプ」、佐藤正「燃える!お兄さん」、上村純子「いけない!ルナ先生」(講談社)遊人「ANGEL」(小学館)、こしばてつや「IKENAI!いんびテーション(3)」(講談社)、山本英夫「おカマ白書」があげられる。
 運動の成果があり、成人向け図書出版社を中心とした「出版問題懇話会(現・出版倫理懇話会)」が、「編集倫理綱領」「編集倫理規定」策定した。これにより、業界が自主規制に動くことになる。翌平成3年には、当時の自民党政調会長が党所属国会議員に宛て、コミック規制の請願文例を添えた「コミック雑誌等有害図書への対処法について」の通知を送付した。その影響もあり、警視庁は、「わいせつ図画販売目的所持」容疑で都内漫画専門店を摘発した。当時、H系同人誌が対象で、書店店長、発行者、作家の計74名が検挙される事態となった。
 その一方で、コミックス規制条例強化反対を掲げる「『有害』コミック問題を考える会」が集会を開催した。漫画編集者、フェミニスト、フリーライター、子どもの人権確立の活動家など、幅広い枠で構成される同会が、市民レベルでのマンガ規制反対運動のさきがけとなる。同会はのちに発展し、「マンガジャパン」「マンガ防衛同盟」と改称し、98年の「児童ポルノ禁止法」問題でもマンガ表現規制阻止に「尽力」することとなる。加えて、出版労連、日本ペンクラブが、コミックス規制と青少年条例改悪に反対決議を表明した。さらに、翌年にかけて、書店組合、マスコミ労組、弁護士会等から反対声明相次いだ。
 だが、結局、政策決定者からの要求で、事業税減免を引き換えに、「文化的」「非文化的」出版物を線引きする「ガイドライン」策定を飲むことになった。


5)『児童ポルノ禁止法』問題

 平成7年には、オウム事件が発端となり、再度漫画規制に関する「有害マンガ犯罪誘発論」が以後頻発することとなった。また、反政府系NGOが、ストックホルムで開催された「子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」において、日本の児童買春ツアーと児童ポルノ製作への対応の遅れ、という虚構をでっち上げたため、日本への国際的バッシングが高まった。当時、アイリス・チャンの「レイプ・オブ・南京」が出されたことと重なり、政府は、「河野談話」「宮沢談話」「村山談話」等自虐的歴史観とあいまって、追い詰められた観があった。その結果、自民、社民、さきがけ与党3党は、「与党児童買春問題等プロジェクトチーム」を発足させ、レディコミ、成年向けコミック誌の多くが大手コンビニチェーンから姿を消す事態となった。
 また、与党児童買春問題等プロジェクトチームは、「児童買春、児童ポルノに係わる行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律案」要綱を発表した。しかし、「児童ポルノ」の定義に「絵」を含んでいたことから、「新たなマンガ表現規制」として波紋を広げることとなった。また、当時社会現象となっていた「援助交際」をあからさまに規制する性質であったことから、「子どもの性虐待防止」と「子どもの性的選択権」を意図的に混同している等の批判も生むこととなる。その結果、平成11年の通常国会において、日の丸・君が代諸法と、男女共同参画法と共に、超党派案による「児童買春、児童ポルノに係わる行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律案」が提出され、全会一致で可決した。


6)「青環法」と「児童ポルノ禁止法『改定』」論議

 平成12年には、参議院自民党が「青少年有害環境対策法案(素案)」を発表したが、法律、メディア関係者が、同法案に反対する緊急アピールを発表した。この間に、法案名にある「有害環境」が「社会環境」にすり替わっている。
 岐阜県大垣市で、民主党やエクパット関西は、同法案推進を求める署名を、自治会を通じて集めた。しかし、同調圧力による「民意の自作自演」の実態が明らかとなり、日本民間放送連盟、出倫協、雑協、日本ペンクラブ、民放TV各局キャスター6名、に日弁連会長よる同法案への反対声明が行われた。それにもかかわらず、水島広子・肥田美代子議員を中心としたグループは、自民党案より拡大された「有害情報」の定義を持ち出し、「子ども有害情報からの子どもの保護に関する法律案骨子」を発表した。
 翌年、自民党、「青少年有害社会環境対策基本法案」を発表した。その際、横浜で開催される「第二回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」で、日本のマンガ表現が「児童ポルノ」にあたるとされるステータスが準備されているという情報がもたらされる。背景には、自民・民主両党に巣食う、反日NGOネットワークが、国際機関に対して、日本の広範な漫画文化を破壊する目的をもって、ネガティブキャンペーンを張ったことが挙げられる。そのため、翌年11月の「児童ポルノ禁止法」見直しへの反映を懸念したマンガ家、評論家らは、メーリングリスト「連絡網AMI」発足させた。同時に、「AMI12.18プロジェクト」が会議でのワークショップの準備を始めることとなる。
 また、マスコミ、市民5団体は、「メディア規制3法案反対緊急集会”やさしい顔”の言論統制」というシンポジュームを開催した。その中で、「青環法」を、「個人情報保護法」「人権擁護法」と並んで「メディア規制3法案」と位置づけた。
 しかし、平成14年5月、朝日新聞は、日本が署名した「子どもの権利条約の選択議定書」のなかで児童ポルノの規定に「アニメ・マンガも禁止対象へ」と捏造報道。その結果、連絡網AMIが抗議し、後日朝日は、訂正と謝罪をした。だが、連絡網AMIは、朝日新聞による悪意に強い反感を持ち、「児童保護に名を借りた創作物の規制に反対する請願署名」を行った。


Ⅲ:おわりに:

 最近、子どもの非行や犯罪被害を助長するおそれのある違法・有害情報への対策等の検討 や、インターネット上の性や暴力等の違法・有害情報、子どもを性の対象とする画像等のもたらす弊害への対策、 また子どものインターネットやゲーム依存の問題への対策を、『子供の権利条約』を盾に取り、導入を図っている意図が、表面化している。これらは、中国や極左団体による日本の漫画批難をうけて、行われているものである。今後、日本の漫画を文化・産業として維持して行く際は、エログロナンセンスに陥ることなく、漫画発祥の地である日本の歴史的優位性を維持した漫画作成を目指すべきである。また、徒な表現規制を要求する極左団体の要求は、法的手続きに基づき、突っぱねることも大事である。


テーマ:日本文化 - ジャンル:学問・文化・芸術





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